EUで適用されているWEEE指令(廃電子・電気製品指令)とは何か。規制対象製品、マークとサイズ、そして電池との関わりについて簡単に解説します。
WEEEとは何か
WEEEとは、Waste from Electrical and Electronic Equipment の略です。
e-wasteともいわれます。
EUにおける主法がWEEE Directive=WEEE指令となり、日本では、廃電子・電気製品指令、電子・電気製品廃棄物指令などと訳されています。
持続可能な生産と消費に貢献するための、廃電気・電子機器の処理に関するEUの規則です。
European Commission
Waste from Electrical and electronic Equipment
WEEEの詳細
電気・電子機器からの廃棄物には、コンピューター、スマートフォン、冷蔵庫、オーディオ機器など、様々な廃棄物が含まれます。その中には、電池を内蔵しているものもないものもあります。
WEEEの対象となる製品には、材料から危険な化学物質や混合化合物が含まれています。廃棄されたデバイスが適正に処理されない場合、環境や人間の健康に対し被害を及ぼす可能性があります。また最新電子機器をリサイクルすることで、希少資源を再利用できます。
そのため
・EEEのライフサイクルに関わる全ての人の環境パフォーマンス向上
・再利用・リサイクル、回収を通じて資源の効率的な利用と二次利用に貢献
・持続可能な循環型経済への貢献
を目的としてWEEE指令を行っています。
RoHS指令、WEEE指令と電池指令の優先順位
WEEE指令と電池指令について、一般社団法人電池工業会は下記のように記載しています。
なお、廃電気・電子機器からの電池の取り外しについては、電池指令(2006/66/EC)の第12条3章にも以下の記載がある。
https://www.baj.or.jp/battery/recycle/recycle09.html
(3) 電池/蓄電池がWEEE指令(2002/96/EC)に基づき、廃電気・電子機器と一緒に回収される場合、電池/蓄電池は、回収された廃電気・電子機器から取り外されなくてはならない。
つまり、WEEE指令の対象製品(後述)からは回収処理前に電池を取り外し、電池は電池指令によって処理することになるため、電池に対しては電池指令が最も優先される規則になります。
POINT
RoHS指令より電池指令が優先する(RoHSは電池単体に適用されない)。
WEEE指令に対しては、対象機器から廃機器から事前に分離したのち、電池指令に則って処理する。
WEEE指令対象製品
1. | 熱交換機器(冷蔵庫、エアコンなど) |
2・ | スクリーン・モニター、および100㎠より大きい面積のスクリーンを持つ機器(掃除機、時計、電動歯ブラシなど) |
3. | ランプ類 |
4. | 大型機器(外寸50㎝を超えるもの) |
5. | 小型機器(外寸50㎝以下) |
6. | 小型IT・通信機器(外寸50㎝以下) |
WEEE規制対象外の機器
- 主電源、バッテリーを介さない機器
- 電気、電子部品が主な機能を果たさない機器
- 特定軍事目的の機器
- フィラメント電球
- 大規模固定産業用ツール
- など
分別収集された対象製品からは、水銀、電池、アスベストなど指令物質を含む部品を取り外す必要があります。電池は電池指令に従って処理します。
WEEE指令の添付マーク
生産者は、WEEE指令で定められた情報を提供するとともに、クロスドアウトホイールビンシンボル(crossed out wheelie bin symbol)の添付が義務付けられます。
埋め立てずにリサイクルすることの要求、また、下部の黒い線は、製品価格にリサイクル料金が含まれていることを意味しています。
マークのサイズは、高さがミニマム7㎜(a=3.3㎜)バーは1㎜(0.3a)以上であることが必要です。