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モバイルバッテリーに記載された各種マークを説明します

安全対策・市販品

モバイルバッテリーには、製品番号や製造国や容量のほかに、PSEやCEなどローマ字や記号のマークがいくつか記載されています。


手元にある容量検査済みのモバイルバッテリーを見てみると、製品によってけっこう違いがあります。
知らなかった記号もありましたので、調べてみました。

「電気・電子製品についている各国認証マークについて」では、ULなど各国規制規格マークを紹介しています。

RoHSマーク

RoHS Compliant(ローズ準拠)です。

RoHSについて詳しくはこちらで解説しています。
EUのガイドラインで、電気・電子機器(EEE)に含まれる有害物質の使用を制限しています。
禁止されている有害物質は、鉛、水銀、カドミウムをはじめ10種類です。
ローズ準拠とは、これらの物質を製品に用いていないという意味で、そのマークが記載されています。
EUの規制ですので、EUで販売することを視野に入れた製品ということになります。

マークの公式デザイン規定はありません。

EU規制により、RoHSはCEマークの内容に含まれるとみなされているため、CEマークがあれば必ずしもRoHSを明示する必要はありませんが、慣習的に添付されていることがあるようです。


ゴミ箱マーク(WEEE指令)

アンダーラインのあるゴミ箱マークは、クロスドアウトホイールビンシンボル(crossed out wheelie bin symbol)です。

EUのEuropean Commission(欧州委員会)WEEE指令で定められたマークです。
WEEE指令について詳しくはこちらで解説しています。
これもEUの規則で、電気・電子機器(EEE)の廃棄(Waste)に関するものです。
埋め立てずにリサイクルすることの要求、また、下部の黒い線は、製品価格にリサイクル料金が含まれていることを意味しています。
EUで販売したい製品なので、EUの規則に則った廃棄をしてくださいということですね。

サイズ規定についてもリンク先で解説しています。

FCC(Federal Communications Commition)

FCCマークは、Federal Communications Commition=アメリカ合衆国の連邦通信委員会のマークです。

電波を放射する機器が制限を下回っていることを意味します。

FCCはアメリカ50州、コロンビア特別区、米国の領土で通電・電波を管理監督している組織で、ラジオ、テレビ、有線、衛星、ケーブルの州間と国際通信を規制しています。連邦機関であり、独立した政府機関で、議会により監督されています。
アメリカは連邦制度を採用しています。地方、州、中央政府が権限を分かち合っており、連邦議会(上院、下院)が貿易規制、宣戦布告、税制など国家政策を制定しており、それを施行するのが行政府(大統領をはじめとする省庁)です。

話がそれましたが、FCCマークは連邦通信委員会が認可する試験機関(TBC)で技術認証されたことを意味し、日本の技適マークに対応します。
この製品は、アメリカの認証を取得し、販売を視野に入れていることがわかります。

Federal Communications Commition オフィシャルサイト
https://www.fcc.gov/

CEマーク

CEはフランス語のConformité Européenne(英語:European Conformity)の略で、欧州委員会(EC)が制定しています。

欧州経済領域の市場(EU)で流通する製品に単一の基準で、製造現場から消費者までの健康保護、安全、環境など要求事項を満たし、自由に移動させることを目的としています。
欧州委員会はEUの主要機関として、法案策定、政策実行、運営、監視などを行っています。

CEマークは欧州議会のウェブサイトからダウンロードできます。
ai,eps,gif,jpg,pngの形式でZIPダウンロードできて、至れり尽くせりですね。
高さ5mm以上の大きさで明確に表示することが求められます。

CEマーキング概要とCEマーク、バッテリーの関連についてはこちらで解説しています。


European Commission:CE marking
https://ec.europa.eu/growth/single-market/ce-marking_en
CE markingの証明書をいつ、どうやって、どのように取得すればいいのか
https://europa.eu/youreurope/business/product-requirements/labels-markings/ce-marking/index_en.htm

PSEマーク

PSEはProduct Safety Electrical Appliance and Materialsで、日本の電気用品安全法に適合した製品のマークです。

PSEについて詳しくはこちらで解説しています。

マルにPSEのマークは特定電気用品以外の電気用品に適用され、モバイルバッテリーを含むリチウムイオン蓄電池に求められます。モバイルバッテリーには2018年2月からPSEの規制対象になり、2019年2月以降は在庫も含めPSEマークのない製品の流通販売が禁止になりました。
日本国内で製造販売、輸入販売に必要なマークなので、この製品は日本で販売することを目的としていると分かります。
PSEマークの近くに、製造・販売(輸入販売含む)会社の記載が必要となります。

記号として識別できれば、サイズ、フォント、太さ、色は自由です。

リサイクルシンボルマーク

モバイルバッテリー以外でもよく見る三角形に矢印がつながったマークは、(ユニバーサル)リサイクルシンボルマークです。
三本の矢が三角形に繋がっているような形で、日本ではスリーアローマーク、米国ではメビウスループとも呼ばれ、回収、リサイクルが必要であることを意味しています。

広く、リサイクル記号として知られているこのマークはパブリックドメインで、誰でも使用・変更が可能です。そのため世界中に多くのバリエーションが存在します。もともとは1970年代に、環境意識を高めるためのアート・デザイン系学生のコンテストで23歳の大学生が受賞した作品でした。

モバイルバッテリーを含む小型二次電池では、リサイクルを実施している一般社団法人JBRCの会員になっているメーカーの電池は回収対象になっており、リサイクルシステムがあります。
JBRC会員の製品には下のリサイクルマークが記載されています。


JBRC会員は2021年で364法人があり、エレコム(株)やアンカージャパン、Apple Japan、ニトリ、パナソニックなど身近なメーカーが名を連ねています。

JBRC会員検索と廃棄・リサイクルの方法について詳しくは
https://www.jbrc.com/wp-content/uploads/2021/05/JBRC_RG2021_S_202105.pdf

リチウムイオン電池の場合、JBRCは[Li-ion00]など、ふたつの算用数字の記載を義務付けています。
最初の数字は正極材の最大含有金属を示します。

0=コバルト、1=マンガン、2=ニッケル、3=鉄

ふたつめの数字はリサイクルを阻害する金属の有無です。

0=なし、1=スズ含有、2=リン含有


台湾では、フォーアローマークがリサイクルシンボルマークとして使われています。
台湾製品や台湾で流通する製品にはこのマークがついていることがあります。

リチウムイオン電池のリサイクル・捨て方についてはこちら


IEC60417-5957 屋内専用マーク

For indoor use onlyマークです。主に屋内で使用するために設計された電気機器を意味します。


中国RoHS

中国版のRoHS=有害物質の規制マークです。
中国国内で製造、販売、輸入される製品に適用されます。
詳しくはこちらで触れています。
左から、「有害物質が含まれない」「有害物質が含まれており、真ん中の数字が汚染を及ぼさない使用年数」「CGPマーク自主認証」「CGPマーク自己宣言」となります。



CCCマーク

cccマーク

中国のChina Compulsory Certification(3C)=中国強制認証の略です。
詳しくはこちらで触れています。
中国が国内で販売・輸入される製品に対して、品質と安全性の適合を求める審査認証です。
リチウムイオン電池単体については、CQC認証が適用されます。

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