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IEC62133-2

リチウムイオン電池安全性規格
IEC62133-2 の基礎知識/試験項目とは

世界各国でリチウムシステム二次電池製品を輸出入販売する際に必要となる「IEC62133-2」について解説します。

IEC62133-2とは

IEC62133-2:2017 1st editionは、

ポータブルアプリケーションで使用するための、ポータブル密閉型二次電池、およびそれらから作られたバッテリーの安全要件(リチウムシステム)です。

機器に使用される二次電池の多くは、62133規格への適合が必要になります。


62133-2は、IEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)による規格です。

2017年に2012年第2版から改定されました。

IEC62133:2012 2nd editionから、62133-2への主な改定は次の通りです。

・ニッケルシステムはIEC62133-1へ分離 (separation of nickel systems into a separate Part 1)

・コイン電池の要求を含める (inclusion of coin cell requirements)

・セルの組電池への組立の更新 (update of assembly of cells into batteries (5.6))

・機械試験[振動、衝撃]  (mechanical tests [vibration, shock] (7.3.8.1, 7.3.8.2))

2017年版とは、試験内容が追加変更しています。

IEC62133-2の認証試験は、専門の認証試験機関で行います。

実施する内容は同一ですが、試験機関により試験費用は異なってきます。
日本国内より国外で行う方が、費用を抑えられる場合もあります。

IEC公式サイト IEC 62133-2:2017 
https://webstore.iec.ch/publication/32662

リチウムイオン電池の航空・海上・鉄道の国際輸送に必要なUN38.3についてはこちらで解説しています。

CB証明とは

CB証明

IEC62133-2を取得したあと、CB証明を求められることがあります。
CBとは認証機関(Certification Body)のことです。

国際IEC規格に基づき行われた認証試験機関のCB Test Reportにのっとって、
CB証明書が発行されます。


CB証明は産業用電気・電子機器の安全性に関する証明を相互に承認し、グローバル市場で通用する認証として用いる世界50か国以上の合意に基づきます。

たとえば、各国の状況により、規格の一部が変更される場合、CB(認証機関)のテストレポートが他の規格の認証に使用できます。
これをIEC EE(電気標準会議)「CBスキーム」と呼びます。


Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像

【リチウムイオン電池】国際規格IEC62133-2(2017)に対応するJIS C 62133-2(2020)の主な安全性試験内容

IEC62133-2に相当するのが、JIS規格のC 62133-2(2020)です。
この場合の試験内容は以下のようになります。

  • 自然落下
  • 加熱(単電池)
  • 圧壊(単電池)
  • 過充電(組電池)
  • 強制放電(単電池)
  • 振動(組電池)
  • 衝撃(組電池)
  • 低圧(単電池)
  • 高率充電(単電池)
  • 機器に装着した組電池の落下(組電池)
  • 強制内部短絡(単電池)
  • コイン型電池の交流内部抵抗の測定

認証取得に必要な主な内容

電気用品の場合
  • 試験サンプル
    バッテリーパック、セル。相当数(合わせて50個以上)が必要になります。
  • ラベル図面
  • 製品外観図(サイズは実物と照合されます)
  • 回路図
  • ブロック図
  • 仕様書・取扱説明書
  • 重要部品リストおよび認証書

IEC62133-2を取得するためには、多くの費用、試料、資料が必要になります。
試験取得までに約1ヶ月かかりますが、事前事後を含め慎重に準備をして取得を目指しましょう。


【産業用リチウムイオン二次電池】据置および移動体用途はIEC62619

据置用途及び移動体用途にはIEC62619 が適用されます。
JIS規格ではC8715-2 に相当します。

【対象】
産業用リチウム二次電池には、据置用途及び移動体用途があり、主な用途は次のとおりです。
1)据置用途: 携帯基地局用などの電気通信関連、無停電電源(UPS)、電力平準化用蓄電、非常用電源及びこれらに類似した用途。
2)移動体用途: フォークリフト、ゴルフカート、無人搬送車(AGV)、鉄道、船舶など。ただし、路上走行車は除く(路上走行車はIEC62660-3 で規定)。

出典:

産業用リチウム二次電池の安全性要求事項に係る JIS を改正(平成31年3月20日)
経済産業省 産業技術環境局 国際電気標準課



認証試験取得後、リチウムイオン電池の国際輸送にはIATA規定や梱包基準(PI)の規則が細かく決められています。
詳しくはリチウムイオン電池の輸送・梱包ガイド(2022年1月最新)をご覧ください。

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