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18650,21700,4680…リチウムイオン電池の規格サイズとは

用語・市場・評価



私たちが通常、身近で使う電池のほとんどは、使い切りの乾電池です。
充電できない一次電池で、単三形、単四形などの規格があり、コンビニやスーパーマーケットなどで簡単に買うことができます。

一方、リチウムイオン電池は、スマホをはじめ身近な製品に数多く使われていますが、そのものの形で目にすることはなかなかありません。
リチウムイオン電池は基本的に危険であり(このサイトの輸送関係で解説したとおり、航空輸送で厳しく制限される危険品です)、単電池でも、外部回路をつけたバッテリーパックとして、製品に組み込まれることが多いためです。
ラミネートセルと違い、円筒形リチウムイオン電池は一見、乾電池に似ていますが、大きさや構造が違います。


保護回路を内蔵した円筒形リチウムイオン電池の基本構造

画像:lygte-info



PTC(Positive Temperature Coefficient):過電流保護
CID(Current Interrupt Device):電流遮断装置。圧力、高電圧、高温などで作動
PCB(Protection Bircuit Board ):過充電、過放電、過電流から保護


すべてではありませんが、大抵は、こういった保護回路を内蔵して安全を担保しています。
ですから、どういった形で安全が担保されているかわからない、素性の知れない電池を使うと危険な場合があります。

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円筒形リチウムイオン電池~18650を代表とする→18650ってなに??

円筒形とは、直径よりも高さが大きい、丸形の電池です。
円筒形一次電池の記号は、IEC規格60086-1(一次電池の国際規格。寸法、命名法、端子構成、マーキング、試験方法、一般的な性能、安全性、および環境を標準化する)で規格化されています。
例えば、R03は直径10.5mm、長さ44.5mmです。日本では単四形、アメリカではAAA、欧州ではmicroと通称されています。

リチウムイオン二次電池のサイズは、IEC規定など国際規格はありませんが、一般的に使用される番号の最初の二桁は、公称直径(ミリメートル)、次の三桁は高さ(ミリメートル)です。最後のゼロは円筒形をさす、”まる=ゼロ”の説もあります。
代表的なセルサイズは、18650(直径18mm×高さ65mm)、21700(21×70mm)、最近話題の4680(46×80mm)などがあります。



18650 → 18 650 (直径18mm)(高さ65.0mm) 

※いちはちろくごまると読みます。英語では”Eighteen-six-fifty”と呼ぶようです。

代表的な円筒形セルのサイズ

名称直径
Dimension(㎜)
高さ
Height(㎜)
標準容量(mAh)備考
104401044250~350単四電池とほぼ同じサイズ
1450014531,000mAh未満保護回路を入れると50.0より大きくなる 
単三電池とほぼ同じサイズ
163401634700~800mAhリチウム電池CR123Aに近いサイズ
1865018652,300~3,600mAh多くのノートPC、電動自転車、一部のEV、モバイルバッテリー、電子タバコなどに使われる。最も標準的なサイズ
2170021704,000~5000mAh18650よりも高容量で、同じく多くの製品に使われている
266502665~7,000mAh
4680468025,000mAh2020年、EV用に導入された高エネルギー容量セル



ところで4680セルって

さて、ここで、テスラ主導で出てきた「4680」

前項のルールだと、46800になるはずなのですが、4680。

なぜ???

と思って調べたのですが、すみません、わかりませんでした。
勝手な推測ですが、その方が言いやすかったからでしょうか。
Forty-six-eight-hundred より forty-six-eighty の方が言いやすいので、そう呼ぼうと決めたのでかもしれませんね。
それに伴い、4680と並べる際、1865,2170という書き方も見受けられます。

既に38120(38×120mm)など、高さ100mm以上の円筒形セルが出ていますので、下三桁を高さmmで表すルールが微妙になっていることもあります。今後のセルサイズ表記や言い方も変わってくるかもしれません。


コイン電池

コイン電池は、直径より高さ(厚み)が小さい電池です。
市販されているのは、充電できないリチウム一次電池で、例えばCR2032は、直径20mm、厚み3.2mmで円形の二酸化マンガンリチウム電池を意味します。

一次電池だと国際規格の寸法があり、LR44の場合、L=アルカリ乾電池、R=円形、直径11.6mm、厚み5.4mmを意味します。


リチウムイオン二次電池のコイン形は、頭の記号は規定がありませんが、サイズ表記は直径と厚みを使用している場合が多いようです。


サイズ感の重要度

リチウムイオン電池は、前述のように独立した部品ではなく、単セル、あるいはバッテリーパックとしてアッセンブリされ、組み込みで使われる傾向があります。
セルの選択は、パッケージ変更、また、セルが製造中止になった際に代替品を見つける際に大きく影響します。サイズと容量が一般的であるほど選択肢が多くなります。
容量はサイズのほか、LCO,NCA,NMC,LFPなど、活物質による性能特性にも依存します。同サイズで容量が異なるのはそのためです。


一方、ラミネートセルは、サイズのカスタマイズが容易です。
そのため、製品デザインに合わせて比較的少量から製造が可能です。ですので、モデル番号はフットプリントサイズやメーカー独自の番号など様々です。

いずれにしても、標準化された規格セルは一般的に入手が容易で、流通数が多いほど、コストも低く抑えられます。



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