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PSE(電気用品安全法)と蓄電池製品

電気用品安全法
PSEの基礎知識/取得手続きとは



日本国内でリチウムイオン蓄電池製品を製造・輸入販売する際に必要となる
「PSE(電気用品安全法)」について解説します。

※2022年12月28日から、電気用品の技術上の基準をめぐる省令の解釈についての一部を改正する通達がありました。
「別表第九」を廃止し、「別表第十二」リチウムイオン蓄電池に該当する基準を適用します(2年間の猶予期間あり)。別表第十二については投稿後半に説明がありますのでご参照ください。

【通産省からの通達】https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/file/04_cn/ts/20130605_3/amendment/kaiseibun221228_b9.pdf

PSE(電気用品安全法)とは

PSE(電気用品安全法)
【Product Safety, Electrical appliance and materials】

PSEは、電気製品の安全を確保し、消費者を守るための日本の法律です。
約450品目の電気用品を対象として指定されています。


日本国内で100V電源に接続して使用される、ほとんど全ての民生用電気製品がPSEの対象となります。メーカーは、該当製品にPSEマークをつけて販売することが義務付けられています。

日本国内の法律のため、輸入品を日本国内で販売する際にも、輸入業者はPSEマークを表示し、販売する必要があります。

PSEマークは事業者自身がラベル等へ表示します。

電気用品の製造販売、または輸入販売事業を行うにあたって、日本国内に居住の個人、または日本国内で法に基づく登記を行っている法人により国への事業届出、基準適合確認、自主検査を行います。

販売のみを行う場合であっても、表示の確認をしなければなりません。

PSE表示の区別

リチウムイオン電池・ACアダプター等の場合

  • PSEには通称「マルPSE」と呼ばれる特定以外の電気用品マークと、「ひし形PSE」と呼ばれる特定電気用品表示があります。
  • リチウムイオン蓄電池は「マルPSE」です (※単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上。自動車用、自転車用、医療用などを除く)
  • ACアダプター、電源ケーブルなどは「ひし形PSE」の表示が適用されます。
  • 登録検査機関の認証が必要なのは「ひし形PSE」のみです。

特定電気用品以外の電気用品(マルPSE)

全体の大きさ、枠の太さ、フォント形式及びサイズ、色は自由です。(ただし記号として識別可能な範囲)
製造事業者、輸入販売者などの届出事業者名称(略称、登録商標を含む)、定格電圧、定格容量、リサイクルマークなどを表示。

特定電気用品(ひし形PSE)

全体の大きさ、枠の太さ、フォント形式及びサイズ、色は自由です。(ただし記号として識別可能な範囲)
製造事業者、輸入販売者などの届出事業者名称(略称、登録商標を含む)、登録検査機関名、技術基準に規定された定格などを表示。

  • モバイルバッテリーは、2018年2月1日付けより、電気用品安全法の規制対象となりました。(経過措置期間:1年間)
  • 2019年2月1日以降は、PSEマークの無いモバイルバッテリーは販売禁止(流通在庫を含む)となっています。

電子タバコやワイヤレスイヤホンに用いる充電ケースの扱いはどうなりますか?

主な機能、が電子タバコやワイヤレスイヤホンの本体を含む外部機器への給電である場合には、モバイルバッテリーとして対象になります。


その他:モバイルバッテリーに関するFAQ(経産省)
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/mlb_faq.html

モバイルバッテリーに記載されている各種マークの説明はこちらです。

経済産業省 PSE(電気用品安全法)届出・問合せ窓口一覧
※手続き方法がわからない場合、相談窓口で説明を受けることができます。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/contact.html

経済産業省 PSE(電気用品安全法)届出・手続の流れ
※ネット上でも示されていますが、上記窓口でハンドブックを入手できます。
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/procedure.html

PSE届け出の流れ

事業の届け出

  1. 国への事業届出(事業開始から30日以内に事業届出が必要)
届出・申請書フォーマット&記載例 一覧(経産省)

電気用品安全法届出の書類で、よくある間違いをチェックしよう

事業届出書(電気用品製造(輸入)事業届出書)の記入

1. 届出書の様式は正しいですか?


「事業届出書」は、
新規の「電気用品の区分」(リチウムイオン電池の区分で以前に届出をしていた場合は既存の扱いになる)を届け出る場合に使用するものです。

「変更届出書」は、
既に届出している内容(例えば、会社名、住所、型式の区分、製造工場の名称及び住所)に変更があった場合に使用するものです。

2. 提出日は正しいですか?


事業届出書は、事業開始の年月日から 30日以内 に、
変更届出書変更の年月日から 遅滞なく 届出を行う必要があります。

事前の届出は受理されません。

3. 「電気用品の区分」は正しいですか?


「電気用品の区分」は「電気用品名」とは異なります。

区分と名前は間違えやすいので気をつけましょう。

4. 「電気用品の区分」ごとの届出になっていますか?


▶ 複数の電気用品を扱っていて、それらが 同一の「電気用品の区分」である場合は一つの届出にまとめて記載します。

▶複数の電気用品を扱っていて、それらが 別の「電気用品の区分」である場合は、それぞれの「電気用品の区分」ごとに届出が必要です。

リチウムイオン蓄電池の区分とは:単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上のものに限り、自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のものを除く

5. 事業ごとの届出になっていますか?


製造事業と輸入事業を同時に実施する場合は、それぞれに届出が必要です。

オンライン届出


PSEはオンラインで届出をすることもできます。

保安ネットでGビズIDを取得し、届出書類を提出します。

提出者

GビズIDアカウント取得 https://gbiz-id.go.jp/top/ → 保安ネットで届出書類を作成・提出します 

経産局局員

 届出内容を確認(不備がある場合は差戻) → 保安ネットで届出受理

提出者

受理結果受け取り → 完了

保安ネットによる電子届出の流れ(経産省)
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/procedure2.html

PSEの義務と制限

技術基準適合義務

経産省で定められた技術基準の適合が必要です。(詳しくは後述)

  • 技術基準への適合性の確認(タイプテスト)
  • 製造工場等の検査設備の確認

適合性検査

特定電気用品の場合、届出事業者は技術基準適合義務のダブルチェックが必要になります。

区分ごとに、経済産業大臣の登録を受けた国内外の検査機関の検査を受け、証明書を入手し保存する義務があります。

検査などの義務

届出事業者は該当電気用品が技術基準に適合しているか検査し、記録を作成保存する義務があります。

表示の義務

マルまたはひし形のPSEマーク、製造事業者、輸入販売者などの届出事業者名称(略称、登録商標を含む)、規定された定格などを表示する義務があります。

販売の制限

所定の表示が添付されていない場合、販売ができません。

電気用品安全法技術基準

電気用品安全法の技術基準省令は第1条~第20条からなる要求事項となっています。

これは、守るべき安全性能の規定化であり、試験方法や判定基準といった具体的な規定はありません。
そのため、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈について、別表第一から別表第十二までの体系があります。

別表第一から別表第十二

別表第一電線及び電気温床線 
別表第二電線管、フロアダクト及び線樋並びにこれらの附属品
別表第三ヒューズ
別表第四配線器具
別表第五電流制限器
別表第六小形単相変圧器及び放電灯用安定器
別表第七電気用品安全法施行令(昭和三十七年政令第三百二十四号)別表第二
第六号に掲げる小形交流電動機
別表第八電気用品安全法施行令(昭和三十七年政令第三百二十四号)別表第一
第六号から第九号まで及び別表第二第七号から第十一号までに掲げ
る交流用電気機械器具並びに携帯発電機
別表第九リチウムイオン蓄電池
別表第十雑音の強さ
別表第十一電気用品に使用される絶縁物の使用温度の上限値
別表第十二 国際規格等に準拠した基準

リチウムイオン電池に関連する項目は、別表第九、別表第十二になります。

別表第九、リチウムイオン蓄電池

内容は下記になります。

  1. 基本設計
  2. 通常の使用における安全性
  3. 予見可能な誤使用における安全性
  4. 表示

    附表第一 リチウムイオン蓄電池の試験条件
    附表第二 電気用品の表示の方式

別表第十二

IECの技術基準が適用されます。別表第一から第十一とは別扱いになります。

リチウムイオン電池に関係する箇所は以下の通りです。

基準番号標題本文備考
J62133(H28)ポータブル機器用二次電池(密閉型小型二次 電池)の安全性JIS C 8712:2015IEC 62133(2012)に対応
令和 6 年 7 月 31 日まで有効
J62133-2(2021)ポータブル機器用二次電池の安全性-第2部:リチウム二次電池JIS C 62133-2:2020IEC 62133-2(2017)に対応
J62619(2019)産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム-第2部:安全性要求事項JIS C 8715-2:2019IEC 62619(2017)に対応


技術基準適合とは

二つの技術基準のどちらかを満たす
  • 別表第一から別表第十一(日本独自の技術基準)
  • 別表第十二(国際規格準拠の技術基準)        ➡ 技術基準第1~20条
  • 自己適合証明 
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