リチウムイオン電池は、使用による劣化や、内部の化学反応により膨れることがあります。
小さくても、大きくても、それなりに膨れます。
身近なところでは、スマートフォンやタブレット端末の電池膨張を体験する人が多いでしょう。
膨れた電池を放置してしまうと、どうなるのでしょうか。
また、どうやって捨てたらいいのでしょうか。
リチウムイオン電池はなぜ膨れるのか
リチウムイオン電池の発火の原因と、安全に使うための対策でも触れましたが、長期間の使用や長期間の放置状態が続くと、電池内部で電解液が劣化し、ガスが発生することがあります。
製造工程での水分混入など、品質問題も関係します。
劣化を防ぐ電解液開発は進んでいますが、膨れを防ぐ方法はまだありません。
リチウムイオン電池が膨れたらどうすればいいのか
ガス発生して膨れたリチウムイオン電池は、内部構成がずれて正負極がショートし、引火する危険があります。
すぐに使用をやめて、充電しないでください。
その後はどうしたらいいのでしょうか？
使用していたデバイスの電池が膨れると、筐体が壊れるなどデバイス自体に影響があります。
使用を停止し、適切に処分する必要があります。
では、電池の膨れたデバイスはどこが引き取ってくれるのでしょうか。
リチウムイオン電池の捨て方で紹介した「リネットジャパン」に聞いてみました。
Σ（・□・；）
膨れた電池は危険物なので回収できないとのこと…
適切な処理方法とは何か聞きましたが、AIチャットでは答えてもらえませんでした。
膨れた電池の廃棄方法
実は、膨れたリチウムイオン電池は、最寄りの携帯電話販売店で廃棄してもらえます。
ドコモショップとAUショップで、実際に聞いてみました。
「タブレットやスマホで電池が膨れてしまった場合も、回収しますのでお持ちください。どのメーカー品でも契約外品でも大丈夫です。」
すぐ廃棄処分になります。データは消去してください。だそうです。
状態や店舗により対応が異なるかもしれませんから、実際に持ち込んで相談することをお勧めします。
膨れた電池を放置するとどうなるか
膨れた電池に限らず、自治体に確認せずに、リチウムイオン電池を不燃ごみ等に出してはいけません。
しかし、身近に回収可能な場所がなく、家にずっと放置してしまう人もいるかと思います。
「膨れたリチウムイオン電池をそのままにしているとどうなる？ 破裂してしまう？」
放っておくと、膨れ続けて爆発するのかと心配になるかもしれません。
しかし、破裂するほど電池が膨れると、先に外装のシール部が破れてガスが漏れるので、破裂発火の心配はほとんどありません。
膨れたからと、自分で穴をあけるようなことは絶対にやめましょう。
※ここでは、ラミネートセルのリチウムイオン電池が膨れてしまった場合を取り上げています。
缶タイプのリチウムイオン電池の場合、膨れは缶で抑えられ、たいていは内部に安全弁があり破裂前にガスを逃がす構造になっています。
落下や衝撃で内部ショートし、ガスに引火する可能性があります。刺激を与えないようにしてください。
適切な処理方法が可能になるまで、バッテリー/デバイスを可燃物のない安全な場所へ保管し、早めに廃棄しましょう。万一のリチウムイオン電池火災に備えるなら、消火砂が効果的です。
