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リチウム電池輸送の危険物ラベルとマーキングガイド

安全性・規格


リチウム電池を国際輸送する際には、パッケージに貼付する特定のラベルが必要となります。
輸送における安全対策を促すため、航空、陸路、鉄道、海上での輸送時に義務付けられています。
ラベル仕様の説明と、印刷用ラベルの参考になるリンクをご案内します。

2023年1月1日施行のIATA DGR 64版改定を反映しました。
詳しい変更点についてはこちら↓をご確認ください。



危険物を輸送するためのルール


マーキングを必要とする代表的な組織はIATA(国際航空運送協会)です。

その他、ICAO(国際民間航空機関)、DOT(アメリカ合衆国運輸省)などが含まれています。

ここに注意

ラベルはパッケージの目に見える適切な場所に貼付します。
適切なラベルが貼付されていないと、出荷ができない、罰金などのリスクがあります。


どのラベルが必要かを判断するための、UN番号とPI(梱包基準)、輸送梱包ガイドについてはこちらで詳しく解説しています。



必要なラベルは主に次の三種です。
単電池=セル、組電池=バッテリーで表記しています。

リチウム電池マーク

必要なラベル1:Lithium Battery Mark
IATAコード

  • 最小サイズ 100mm×100mm
  • パッケージの大きさにより巾100mm×高さ70mmまで縮小可
  • 境界には赤色の斜めハッチングが必要。幅は5mm以上
  • 関連するUN番号。12mm以上の高さの文字
  • バッテリー記号は、電池のグループおよび一つは破損して発火していること
  • 対照的な背景を持つこと
  • パッケージに直接印刷も可能
  • 2023年1月1日より連絡先電話番号の記載は不要に。電話番号記載のラベルは2026年12月31日まで使用可能

適用されるUN番号とPI(梱包基準)

UN番号/包装基準セクションおよび詳細
UN3480/PI965
(リチウムイオン電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠB 100Wh以下
UN3481/PI966
(リチウムイオン電池/機器同梱)
SectionⅡセル:20Wh以下、バッテリー:100Wh以下
UN3481/PI967
(リチウムイオン電池/機器組込)
SectionⅡ
セル:20Wh以下、バッテリー:100Wh以下、5㎏まで、かつ下記のいずれかに類するもの
・1HWB3個以上
・一包装物あたりセル5個以上
・一包装物あたり組電池3個以上
UN3090/PI968
(リチウム金属電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠB
SectionⅡ
・リチウムイオン金属含有量1g以下/セル、またはリチウム金属含有量総計2g以下/バッテリー
・一包装物あたり7個以下/セル
・一包装物あたり1個/組電池
UN3091/PI969
(リチウム金属電池/機器同梱)
SectionⅡ
リチウムイオン金属含有量1g以下/セル、またはリチウム金属含有量総計2g以下/バッテリー
UN3091/PI970
(リチウム金属電池/機器組込)
SectionⅡ
リチウムイオン金属含有量1g以下/セル、またはリチウム金属含有量総計2g以下/バッテリー
かつ、下記のいずれかに類するもの
・ボタン電池のみ
・1HWB3個以上
・一包装物あたりセル5個以上
・一包装物あたり組電池3個以上



クラス9ラベル

必要なラベル2:Class 9 Hazard Labels 

  • 最小サイズ : 輸送手段と適用規制により変わるが、IATAの場合は各面の最小寸法が100mm
  • パッケージの大きさにより縮小可。ただし感染性物質、不燃性ガスなど限定
    ※IATA規制はほかのどの機関より厳しく、基本的に危険物ラベルサイズの縮小は許可されません。
  • 上半分に7本に黒い縦縞
  • 背景は白
  • 追加情報提供の電話番号
  • 下隅に下線が引かれた9

適用されるUN番号とPI(梱包基準)

UN番号/包装基準セクションおよび詳細
UN3480/PI965
(リチウムイオン電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠA
SectionⅠB
全ての場合に必要
UN3481/PI966
(リチウムイオン電池/機器同梱)
SectionⅠ セル:20Whより大きい、バッテリー:100Whより大きい
UN3481/PI967
(リチウムイオン電池/機器組込)
SectionⅠ セル:20Whより大きい、バッテリー:100Whより大きい
UN3090/PI968
(リチウム金属電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠA
SectionⅠB
1個あたりセル、組電池のリチウム金属の含有量が0.3g以下、または一包装物あたり7個以下/セル、組電池1個の場合を除き、かつ一包装物あたり正味量35㎏まで
UN3091/PI969
(リチウム金属電池/機器同梱)
SectionⅠ
1個あたりリチウムイオン金属含有量1gを超えるセル、またはリチウム金属含有量総計2gを超えるバッテリー
UN3091/PI970
(リチウム金属電池/機器組込)
SectionⅠ
1個あたりリチウムイオン金属含有量1gを超えるセル、またはリチウム金属含有量総計2gを超えるバッテリー



CAO(貨物機専用)ラベル

必要なラベル3:Cargo Aircraft Only Labels 

  • 最小サイズ 幅120mm×高さ110mm
  • 航空会社にパッケージを旅客機に積み込まないよう警告する目的
  • 明るいオレンジ色
  • 貨物機専用、旅客機では禁止の文言

適用されるUN番号とPI(梱包基準)

UN番号/包装基準セクションおよび詳細
UN3480/PI965
(リチウムイオン電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠA
SectionⅠB
全ての場合に必要
UN3481/PI966
(リチウムイオン電池/機器同梱)
SectionⅠ 貨物機の場合(35㎏まで)
SectionⅡ 貨物機の場合(5㎏まで)
UN3481/PI967
(リチウムイオン電池/機器組込)
SectionⅠ 貨物機の場合(35㎏まで)
SectionⅡ 1HAWBが3個以上、または包装物当たり
単電池:5個以上、組電池:3個以上で貨物機の場合(5㎏まで)
UN3090/PI968
(リチウム金属電池/セル・バッテリー単体)
SectionⅠA
SectionⅠB
SectionⅡ
全ての場合に必要
UN3091/PI969
(リチウム金属電池/機器同梱)
不要
UN3091/PI970
(リチウム金属電池/機器組込)
不要



ラベリングの方法

ラベルはすべて同一面に貼付する(底には貼らない)
梱包テープやシール、文字、パウチなど他の物で隠れないようにする
危険物のラベル(クラス9)はダイヤモンド型に貼り付ける

印刷用ラベルのダウンロードリンク

リチウム電池マーク(日本郵便提供)
https://www.post.japanpost.jp/question/345_03.pdf


リチウム電池マーク(ANA Cargo)
https://www.anacargo.jp/download_files/dg_label/0_cao.pdf
リチウム電池用クラス9ラベル(ANA Cargo)
https://www.anacargo.jp/download_files/dg_label/9_rli.pdf
CAOラベル(ANA Cargo)
https://www.anacargo.jp/download_files/dg_label/0_cao.pdf


危険性ラベル(JALカーゴ)
https://www.jal.co.jp/jalcargo/support/label/dl_danger_label/




危険物を航空輸送するために(国土交通省航空局 一般社団法人航空貨物運送協会)

不具合事例として、モバイルバッテリーを旅客機の一般貨物として無申告で輸送し、輸送中の衝撃でバッテリーが短絡し発煙した例が掲載されています。
正しいルールを順守するためのポイントが参考になります。

https://www.mlit.go.jp/common/001009916.pdf(こちらはリンク切れとなっていました。2022.8.4 ご指摘誠にありがとうございました)

・航空危険物貨物の代表例 国土交通省航空局(PDF形式)


こちらは、海上輸送になりますが、2020年1月に発生した無申告のリチウム電池輸送によるコンテナ火災のニュースです。

GH FORWARDING

こちらの記事では動画で発火の様子と荷降ろしされている際の状態を見ることが出来ます。

Fire in the hold Cosco Pacific video shocks dockers - Container News
Lithium ion batteries stored in a container on board the Chinese vessel Cosco Pacific were not declared as dangerous goo...









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