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輸出貿易管理令の一部改正で何が変わるか(2022年12月6日施行)

安全性・規格





リチウムイオン電池、バッテリー製品を輸出する際に、安全保障の観点で書類を求められる場合があります。そのひとつが輸出貿易管理令に基づいた該非判定書(非該当証明書)です。

2022年10月に「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」が閣議決定され、2022年12月6日に施行されます。その内容を確認してみます。



外国為替及び外国貿易管理法とはなにか、法体系、リスト規制、キャッチオール規制の内容とリチウムイオン電池について、詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひお読みください。

令和3年12月15日に施行された、「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令の一部を改正する省令」にも触れています。


2022年、輸出貿易管理令の一部変更の目的

まず、外為法と輸出令の目的ですが、

わが国が対外取引を行うにあたって、安全保障の観点から貿易を管理するための法律です。
外国為替及び外国貿易管理法
(略称:外為法)という法律があり、その下に、輸出貿易管理令(略称:輸出令)と外国為替令(略称:外為令)などの政令があります。


令和4年10月3日の閣議決定について、経済産業省のウェブサイトを引用します。

経済産業省では、大量破壊兵器の拡散防止及び通常兵器の過剰な蓄積の防止を目的として、「外国為替及び外国貿易法」及び同法に基づく輸出貿易管理令(以下「輸出令」という。)による輸出管理等を行っています。
今般、2021年の国際輸出管理レジーム会合における合意に基づく規制対象となる貨物の見直しに関して、「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」が、本日閣議決定されましたので、お知らせします。

https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221003001/202210003001.html

昨今の政治情勢、特にウクライナへのロシア侵攻を背景とした変更かとも思いましたが、2021年国際輸出管理レジーム会合における合意に基づくとのことでした。
もしかしたら来年にも2022年の情勢に基づく変更があるのかもしれません。



2022年12月6日施行の省令改正点


令和4年10月6日付けで公布され、同年12月6日から施行される、規制対象となる貨物に関する改正内容は、次の3点です。

「輸出貿易管理令別表第1」における

  • ふっ化シリコーン油を主成分とする潤滑剤として使用することができる材料の削除
  • 三酸化二ガリウム又はダイヤモンドの基板等の追加
  • 電波等の吸収材に係る規定の改正

リチウムイオン電池には関係なし

変更内容を新旧表にしてみました。

輸出令別表第1旧条文変更後の新条文
5の項(10)「アルキルフェニレンチオエーテル若しくは」「若しくはアルキルフェニレンチオエーテル又は」に改め、「又はふっ化シリコーン油」を削る。
7の項(22)又は窒化アルミニウムガリウム窒化アルミニウムガリウム、三酸化二ガリウム又はダイヤモンド
15の項(2)電波電波若しくは赤外線

詳しい要綱、改め文、新旧対照表、参照条文はこちらの経済産業省ウェブサイトより確認できます。

https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221003001/202210003001.html

今回の改正もリチウムイオン電池には大きく影響がありませんでした。
改正に基づいた書類の提出が必要になる場合は、【2022年12月6日施行 輸出貿易管理令に対応済】と記載してください。

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非該当証明書(該非判定書)フォーマット

WordとPDFで該非判定書の経産省による参考書式・フォーマットをダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/apply04.html

該非判定は誰が行うか
該非判定書を作成するのは、製品のメーカーです。メーカーが内容に責任を持ちます。
ただし、輸出入を行う者が製品メーカーではない場合も同じく内容に責任を負うことになります。



リチウムイオン電池輸出の基本については、こちらで解説しています。

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