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リチウムイオン電池用語集

lib battery

リチウムイオン電池の組成や性能に関する言葉には、一般にはなじみのない用語がよくあります。
充放電効率や、Cレート、アノードとカソードはどちらが負極か…など
基本的な用語を解説します。



あ行

アノード(Anode)

リチウムイオン電池の世界では負極のことを指す。

18650

最もポピュラーなリチウムイオン電池
φ18mm 高さ65mmの円筒形タイプ。”いちはちろくごまる”と読む。

SEI被膜

初期充電の際に負極活物質表面(主にグラファイト)に生成する被膜。
この被膜生成により、充放電による負極劣化が緩和する。

SOC

State of chargeの略称。満充電に対しての充電状態をさす。SOC〇〇%

エネルギー密度(Wh/kg、Wh/L)

公称電圧 V×公称容量 Ah ÷(重量/kg、容積/L)により算出される数値。

A/Cバランス

負極(Anode)と正極(Cathode)の容量比率。主に電池設計する際に重要な指標のひとつ。
A/Cバランスの比率により、電池内部の劣化が正極律速となるか負極律速となるかが決まる。

OCV(開回路電圧)

Open circuit voltage
外部回路と遮断されている状態の電圧。無負荷電圧


か行

過充電(Over charge)

メーカー規定の充電上限電圧よりも高い電圧に充電すること。
安全面、寿命、保存、信頼性など全ての面で良くない。

化成(formation)

電池内部に電解液を注入後、初めて行われる充電をさす。
負極活物質表面に良いSEI被膜を生成させるため、化成を複数回行うメーカーもある。

カソード(Cathode)

リチウムイオン電池の世界では正極のことをさす。

活物質

充放電の電池反応に寄与する材料。
正極活物質、負極活物質というように使われる。

過電圧

電池の充放電している際の電池電圧と、充放電を行っていない場合の電池電圧の差分(電位差)を指す。

過放電

メーカー規定の下限放電電圧を下回る電圧まで放電すること。
一次的な過放電は性能への影響は軽微であるが、過放電状態の時間に比例し信頼性の面で良くない。

急速充電

1Cレート以上の電流で充電すること。

公称電圧(Nominal voltage)

メーカーが決める電池の電圧。材料・仕様電圧範囲により異なる。

公称容量(Nominal capacity)

メーカーが決める容量の公称値。(≒定格容量、≒最低容量)

コールコールプロット(交流インピーダンス法)

微小な特定の正弦波交流信号を印加し、電池内部の抵抗成分を予測する手法。
劣化解析の手段として用いられることが多い。

さ行

サイクル寿命

メーカーが決める特定の充放電条件(電圧範囲、電流値、CC-CV)下で充放電を繰り返し行い、
初期容量の80%程度に至るサイクル数をさすことが多い。

Cレート

定格容量に対する電流値の比率。
例えば400mAhの容量の電池に対して、1200mAで充電(あるいは放電)をする際のCレートは、1200mA÷400mAで3Cとなる。
400mAhの0.2Cは、400mA×0.2=80mAとなる。

時間率

定格容量に対する電流値の大きさ。
例えば400mAhの容量の電池に対して、120mAで充電(あるいは放電)をする際、400mAh÷120mAで3.3時間率の電流となる。

自己放電

電池を使用せずに置いておくと、僅かに電圧が落ちていく現象をさす。
自己放電率はmV/dayで比較することで、長期保管時の目安にすることができる。

シャットダウン

リチウムイオン電池内部での短絡・発熱によりセパレーターの溶融温度を超えても、セパレーターそのものが絶縁物質に変化し、電池の暴走反応を安全に停止する。(対語:メルトダウン)

終止電圧

メーカー指定の充電上限電圧、放電下限電圧をさす。

集電体

正極活物質、負極活物質からの電子を外部に取り出す金属箔。
一般的に正極はアルミニウム箔、負極は銅箔を用いる。

充放電効率

特定の充放電条件による、放電容量÷充電容量の比率。
Cレートが小さいほど効率は良く、Cレートが大きいと熱欠損等により効率は下がる。

セパレータ

電池内部の正極電極と負極電極の間で、短絡防止のための部材。
正負極間の面距離を均一に保つ作用も併せ持つ。

た行

電位窓

リチウムイオン電池内で電解液が安定して存在できる電圧範囲をさす。

電解液/電解質

電池反応のために使用されている溶媒、溶質。
リチウムイオン電池では、カーボネード系/有機電解液系、溶質はLiPF6が多い。

電極電位

デンドライト

負極電極表面で、樹枝状にLiが析出する状態のことをさす。低温における急速充電や設計ミスなどが原因により起こるもので、
Liイオンの移動が不十分なため負極で受入ができずに析出することがある。充電時に内部短絡により発火する事例も確認されている。

導電助剤

正極電極、負極電極内の導電性担保するために添加される材料。カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブがある。

な行

内部抵抗(ACR/DCR)

電池そのものが持っている抵抗成分。
ACR:交流抵抗測定により、簡易的に抵抗の大小を測定することができる。(1kHzで測定することが多い)
DCR:直流電流による電圧降下分から測定した数値。大電流の充放電では電池内部の発熱量算出のため、DCRから理論値を行うこともある。

は行

バインダー

電極内の活物質同士、活物質と箔を結びつける結着材(ノリの役割)。
充放電には寄与しない物質のため、含有量に比例する抵抗成分となる。可能な限り少ない方が良い。

不可逆容量

電解液注入後の初回充電後の放電容量は、充電容量に対して少ない容量となる。
これは初回充電の際に負極に移動するLiイオンが、負極表面でSEI被膜を生成するために消費され、放電容量が小さくなる。
不可逆容量の大きさは、使用する負極活物質、エージング条件、A/C比に左右される。

放電終止電圧

メーカーが定める放電下限電圧をさす。下限電圧はメーカー、活物質により異なる。

放電深度(DOD)

Depth of dischargeの略称。
満充電状態から〇〇%放電した状態をDOD〇〇%と使用する。

放電容量

特定の充電条件により充電した充電された状態から、特定の電圧まで放電した際の電気容量。

ま行

メルトダウン

リチウムイオン電池内部での短絡・発熱によりセパレーターの溶融温度を超えた際、
セパレーターそのものが破けたり収縮し、正負極間の接触により電池の暴走反応を引き起こす。(対語:シャットダウン)

ら行

レート特性

充放電する際に、充放電電流値を変化させて比較・評価すること。
このレート特性試験結果により連続の最大電流などを参考にすることが多い。

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