電気、電子製品についているマーク。
世界市場で出荷・販売する製品はその国が要求する規制に従った安全や性能の認証規格が必要になります。任意もあれば、強制規格もあります。
2022.10 各国電気製品主要安全規格リストを更新、追加しました。
各国電気製品主要規格リスト
まずは主なリストを簡単にまとめました。
この中からいくつか重要なものを補足で説明します。
北米・カナダ(UL)
UL(Underwriters Laboratories Inc.)
アメリカ保険業者安全試験所
火災保険業者電気局として創設された、アメリカ最大かつ最古の独立認証試験所。非営利団体。
UL LLC(Underwriters Laboratories Limited Liability Company.)
2012年に営利目的で設立されたULの子会社。現在のULはこちらを指します。
1894年設立以来、安全性認証を行っている、米国で最も古く最も受け入れられている認証マーク。任意認証だが、州法や条例で強制されているところもあり、認知度が高く、米国向け輸出品においては必須といえます。
ULの種類
UL Listing ULリスティング:最終製品を対象とする
UL Recognition ULレコグニション:製品に組み込まれる部品を対象とする
UL Listing and Classification Marks
(マークの解説、ダウンロード、アジア・ヨーロッパ・南北アメリカにおけるULマークの詳しい分類がみられる)
当時25歳の電気技師ウイリアム・ヘンリー・メリル・ジュニアによって設立されたUL。
1843年シカゴ万国博覧会の電気検査官として派遣されたメリルは、電気試験の必要性とその可能性に気づき、翌年、会社を設立しました。最初の従業員は彼を含め三人。初年度、年間予算3000ドルで顧客に75のレポートを発行したというから忙しかったことでしょう。
いつの時代も先見の明は重要なんですね。
(ULの歴史はこちらで詳しく)
オセアニア(RCM)
RCM(Regulatory Compliance Mark)規制遵守マーク
オーストラリアとニュージーランド市場に流通する製品の規格・規制準拠を示す強制マーク。
オーストラリア規格AS /NZS4417で規定されています。
EMC試験(電磁両立性)
EMRテスト(電磁放射)
無線周波数通信テスト(ニュージーランドの無線スペクトル管理(RSM))
電気通信テスト
安全性試験
該当するすべての必須規格準拠している必要があります。
欧州
ENEC
European Norms Electrical Certification
欧州の認証機関によって認証されていることを示します。
現在25の認証機関が登録されており、2桁の数字はどの認証機関かを示しています。
自己宣言であるCEマーキングより信頼性が高いと言われています。
製品は、該当するEN安全基準およびパフォーマンステスト要件に準拠。
メーカーはISO9000に準拠した品質システムを適用。
最終製品は2年ごとに再テスト。
メーカーは、工場検査などの検証済みの生産管理を行う。
CEマーキング(EU)&UKCA(イングランド・ウェールズ・スコットランド)
欧州経済地域で販売される製品がEUの安全基準に適合していることを意味するマーク。
UKCAはCEマーキングの代わりに2021年1月1日に発効したイングランド、ウェールズ、スコットランドで使用されるマーク。
詳しくはこちら↓
VDE(ドイツ)
Verband Deutscher Elektrotechniker
Verband der Elektrotechnik、Elektronik und Informationstechnik eV(VDE)は、1300の企業を含む36000のメンバーからなる、欧州最大の技術科学協会。
電気、情報、および医療技術の安全性と品質において、協会が定めた基準に準拠した事を意味します。
中国(CCC)
China Compulsory Certification(3C)=中国強制認証
詳しくはこちら↓
韓国
Sマーク
KOSHA(韓国産業安全衛生公団)が国内で販売流通する産業製品の安全性を認証すします。任意認証制度
KCマーク KCsマーク
Korea Certification Mark
韓国国内で販売流通する特定分野製品の安全基準。国家統合認証マーク。健康、環境への影響に対するリスク防止と製品の適合性を保証すします。強制認証制度