どうすれば劣化しているかわかりますか?
リチウムイオン電池の劣化を診断する基準には、主に下記があります
・内部抵抗の増加
・無負荷電圧の低下
・自己放電の増加
・動作時の熱
・容量の低下
・充放電特性の変化
これらが発生したら、電池の劣化が進んでいる可能性があります。
計測機器をもたない一般ユーザーは、「すぐ電池がなくなる」「使用時や充電時に異様に熱い」といった症状で感知できるでしょう。
SOC(State Of Charge)
SOC(State Of Charge)は充電率です。
満充電状態を100%として、どの程度充電できているかを指します。
1000mAhの電池で250mAhの放電を行った場合、SOCは75%となります。
SOC=残容量/満充電量×100(%)
SOH(State Of Health)
SOH(State Of Health)は、電池の劣化状態を表します。
劣化の可能性がある電池の満充電容量が、初期の状態での満充電容量に対してどの程度の割合かを示します。
初期満充電容量が1000mAhである電池の満充電容量が750mAhになっていた場合、SOHは75%です。
初期の75%の容量しか発揮できない状態ということです。
SOH=満充電容量/初期の満充電量×100(%)
より詳しく調べるならセル解体
電池の容量劣化や不具合原因を解析する手段として、電池解体があります。
これにより、さまざまなことがわかります。
・コンタミ
・正極、負極、セパレータの劣化(しわ、ゆがみ、色の変化など)
・正極、負極、セパレータの設計(サイズ設計により正負極接触の可能性が高まる、など)
・リチウム析出
・タブの状態
・巻回の状態
電気は目に見えず、電池の化学反応も目視することはできません。
セルを解体することで、どこに問題があるのか、もしくはないのかを具体的に見て切り分けることができます。
劣化の要因である、不具合原因の解析に最も役立つ方法の一つです。
電池解体の一例はこちら(不具合を起こしたワイヤレスイヤホンの電池を解体してみました)でご覧いただけます。
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